ADHDでACのオタクがパワハラ受けて適応障害になってEXILEが好きになった話(3)
前回までのあらすじ
職場でクレイジーなブスリーダーから受けたパワハラや、横文字大好き業界によく居る無自覚な人種差別主義者のリーダーによる協力プレイで心を病んでようやく病院で適応障害の診断を受けるも、サイコパスなマネージャーに傷病手当を受け取ることに妨害を受けるなどをする激動の1ヶ月。
ワンクールドラマだったらこういうことは最初の一話くらいで終ると思うが、ドラマじゃないので、これがパワハラを5年くらい、マネージャーとの攻防は半年くらいかけて色々と起きる。ちなみに親との戦いも一生続く。よく生きてたなあと今でも思う。
自分の性質について
最近よく聞くADHDという言葉は、ツイッターをおやりのみなさんにはおなじみかと思うが、さらにAC(アダルトチルドレン)という環境から起きる環境から起きる種類名みたいなものも持っている。これを説明しないと次に進まないので、今回は説明する。
ADHDということについて
これは、よく聞くと思うが改めて書くと、脳の障害である。産まれながらの障害なので、これは誰のせいでもない。天から与えられたものだと思って、私は処理している。
私はその中でも、注意欠陥障害。つまり集中力が続かずに、人ができる当たり前のことができない。
忘れ物をしたり、その場の空気が読めずに変な発言をしたり、興味がないことが覚えられない。集中力が続かないので、論理的な会話も途中で思いついたことをポンと言って外れる。ようするに会話もうまくできないのだ。
一つのことに集中できずに、人の顔も覚えられないし、人の名前もすぐに忘れる。予定も、仕事の進め方も単純なミスもよく起きて居た。
それでも、私がこの歳になるまでその性質に気付かなかったのは、
単純に私は自分のことを愛して居なかったし、誰からも愛されて居なかった。
いや、大切にして居た、大切にしようとして居た、愛そうとしてくれた、愛した人もいたと思う。大学では親友が出来たし、それまでいじめというイジメはあまり受けていなかった。
でも、それはなぜのかというと、自分のことを無価値で、本当は人と違う何かをあるけれど、それは中途半端なもので、スーパーヒーローや天才とはほど遠い、対して特徴のないもの。
という風に最終的には思っていたから。どこに行っても、どの集団に属しても絶対に目立ってしまうが、自分のことを無価値だと思っている人間は、周りからもそう扱われる。
だからこそ、私はこの歳になるまで、自分の性質に気づいていなかった。
そして、この性質になって改めて自分のことを見返すと、以下のような自己紹介になる。
芸術的才能にある程度優れ、色彩感覚、音楽的感覚は敏感。手先は器用で、最新のファッションやアクサリートレンドに敏感。映像記憶(音声はない)、人の気づいていない性質を捉える感覚が強い。
少し長くなったが、私は「芸術」関係には強い注意欠陥障害ということになる。
だから、感覚的に物事や建物、空間や音階も捉えているため、それを共通認識の持たない他者に伝えるのが苦手だし、集中力も続かない。
自分の考えていることを伝えるのも下手くそだし、人との約束もスケジュールを脳内で空間的に覚えていることがあるので間違えることもあるし、それを確認しない。遅刻は、忘れるというよりは間に合わないという感覚が正しい。
これは、社会人としてかなり致命的な欠点だ。
そして、アンラッキーなことに、私にその致命的な欠点を「どうしてそうなったのか、そしてそのことに対する対処法」をきちんと示してくれる上司に出会わなかった。
それでもどうして、この歳までデザイナーとしてやってこれたのか、私もよくわからない。
きっと、いろんな人が私の尻拭いをしたし、裏で私の仕事を引き継いだ人はいっぱいいただろう。
だがそれだけではない。
私は「中途半端にも」色彩感覚、芸術的センスやスキルが高いのだ。
ミスはするが手が早く、人の話を聞いていないし論理的に話していないように見えて、お客さんが納得するレベルの制作物を作ることができるのだ。
だが、上司は面白くない。そんな部下は使いにしくし、特に自分のやり方を押し付けたい人や、私の人の話を聞かなかったり、集団に属せない性質からくる一匹オオカミイメージが気にくわないタイプの囲い込みタイプの上司は、特に私を嫌った。
アンラッキーなことに、私にパワハラを働いた直属の上司であるリーダーのブスはその、自分の意見を通したい女王様タイプだった。自分のルールが全てであり、私のやり方やデザインの仕方、それらを徹底的に正したかった。
結果としては、私はその彼女のやりかたを受け入れた。そして、デザイナーとして、かなり手の早い、物事を進められるそれなりに出来るタイプにはなった。だが、基本的な「どうして」の部分が集中力がないとポロンと抜けてしまうと、声を上げて怒り狂われるようになった。
今になって思うが、彼女と私の相性は最悪だったのだ。
彼女は「どうしてそれができないの? 何か理由はあるの? それを一緒に直していこう」が言えない、考えられないタイプだった。それは、リーダーとしては致命的な資質だ。人の上に立つということは、羊飼いになるのと一緒だ。羊を追う犬を手に入れてでもいいし、先に美味しい草があると示していい。食いつきが悪い羊に声をかけて、医者を呼んだり、時には手入れをして、ふさふさの毛や肉を蓄えささせて、対価を得るのが羊飼いの役目だ。彼女は、羊飼いではなく、ただの狼だった。それは要するに、人ではなく、獣だ。獣には獣の役目があるが、羊飼いの役目は果たせない。彼女はその辺りを、読み違えていたのだと思う。
なんだか話が逸れてしまったが、私の性質の一つ目はこんな感じ。
・注意欠陥障害
・どの集団に属しても悪目立ちする
・常に個性的だねと言われる
・芸術的センスはそれなりにある
・手先が器用
・論理的な会話ができない(相手との会話を全体的に捉えられず、自分の考えを物語を進めるように先行で進めてしまうため)
・遅刻をするというより、その約束の時間にたどり着けないという感覚(言い方は違うが要するに遅刻する)
・同じ食べ物しか食べない
・異常によく寝る
・物語を書く、小説を書くということに対しては異常な集中力がある
・集中力が続かずに、五分前のこともわすれたり、凡ミスを繰り返す
私の主治医は、私が適応障害になったのは、ADHDの気質が大きく起因していると分析した。
私は、自分が「普通」ではないことがストレスだ。
周りと違うことを無自覚だが、周りから指摘され続けているうちに、全て自分にフィードバックする。
私は昔からこう言われることが、一番嫌いだった。
「期待しているよ」
私は、普通ではない。期待には応えられない。
療養が進んだ今なら、それに補足を付け加えられる。
「貴方が望むような、はっきりとした形は、わたしには分からないのです。幸せや成功は、人によって異なるので、わたしにもわかるように何が貴方の期待に応えることなのか、明確に数値で教えてくれませんか?」
わたしに期待しているよなんていう輩は、こんな質問をされたら大抵激昂するだろう。
残念ながら、怒られても、私は何故怒るのか分からないのだ。
AC(アダルトチルドレン)について
アダルトチルドレンと聞いて、全然ピンとこないと思うので説明すると、
アメリカ人だったと思うがとある心理学者が特に「アルコール依存症」が居る家庭の子ども達には問題行動やある共通の心理的問題を抱えることがわかった。らしい。
要するに、「依存症」という問題を抱えている両親を持つ家庭の中で育った子ども達の多くは「問題」を抱えることが多いのだ。
いろんな文献や、助成グループの人たちの説明があると思うので、気になったら自分で調べてもらいたい。
突然だが、私の父親は「アルコール依存症」である。
アルコール依存症と、買い物依存症、そして恐らく何かしかの脳の病気を抱えている。
彼は、様々な問題行動を起こしている。
・物心つくまで、彼が家にいた記憶がほとんどない
・瞬間的にブチ切れる、所謂激昂型
・お金を使い込み、母の財布からクレジットカードを盗み使い込み、見知らぬ弁護士から連絡が来る
・金融機関から借金を重ね、母がその支払いを何度かしたこともある
うちは、昔からお金のことで揉めていた。
だが、それより問題だったのは、
「私の父は、娘を性的な目で見ている」
だった。
これは、娘が居る父親である友人は理解してくれたのだが、
父親という生き物は、「普通ならば」娘を、「女」として認識していない。
娘の胸や性器を見てもなんとも思わないし、ただ守って、娘の成長を見守りたい生き物なのだ。
だが、私の父は違った。
幼い頃、父は私が7歳になるまで一緒に風呂に入りたがった。性器の存在や、無許可で体を触られることを嫌がる私に対して、パンツを履いてまで風呂に入りたがった。
寝る前に、私の福耳の部分を撫でて、体を触りたがった。
まあ、異常なのだ。
16歳を超える頃、私は胸が大きくなったし、体も女として曲線が出てくる。
母は、「お父さんがどきどきしちゃうから、パジャマを着なさい」と言った。
ここで問題なのは、母もそれを認めて居るのだ。
私の父は、アルコールで問題行動を起こし、家のお金を使い込み、そして娘を女とみなす、クソ野郎だ。
そして笑えないのが、私の母親も、それを受け入れる「相互依存」の状態に陥っていたのだ。
昭和のお父さんと、お母さんという言葉を受け入れてしまえばいい。
だが、私の母親も恐らく、脳の病気か何かを抱えている。
娘が父親や兄弟にとって性的対象に見られることを普通だと捉え、
家族がいる前で生理がくる前の娘の性器を掴んで「ここで赤ちゃんができるのよ」とのたまい、そのくせ私に性的なものが近付くと嫌悪した。
生理になった時、私はそれを家族に知られるのが嫌でたまらず、汚れたパンツを引き出しにしまい込み、汚れものも一緒に入れて虫が湧いたことがある。
母はそのことに激怒し、パンツを洗わせて、必ずそのパンツを使えと言及した。
娘からセックスの匂いがすると激怒し、嫌悪するくせに、自分からはそれを話題にし、下品に笑いに変えようとする。
未だに彼女の考えていることは理解できないのだが、私なりに分析すると、要するに、
母は自分自身の性を嫌悪しているのだ。
娘を自分の同化と扱い、サンドバック扱いし、嫌悪し、ストレスを与え、そして理解を得ようとする。
これはカウンセラーが教えてくれてなるほどねと思ったのだが、
私は自分の心の声を反したことを今までしてきたが、それを正す力を持っている。
だが母は、自分の心の声に反して行動してしまうのだ。
どうしてなのか、おそらく。彼女は自分が嫌いなのだ。嫌悪している。
そして、自分の心の声を無視し続ける限り、その無間地獄は続く。
それでも、彼女は生きることを選んでいる。それは、確かな強さだと思う。
わたしには二人の兄が居るのだが、母はいつも兄達の茶碗もわたしに片付けるように言った。わたしは従わなかったが、そうすると激怒した。
兄達には甘え、可愛がり、あんたが一番よと言う。
そして、兄弟それぞれに違った情報を与えて、お互いがいざこざが起こるようにする。
無自覚でやって居るのだろうが、母は、自分の存在を愛されたいと思っている。
だが、女である自分を嫌悪するあまり、自己評価が低まり、モラハラ極まれりの父と暮らし、専業主婦で日々の雑務に追われている。
そんな両親の間に生まれたわたしは、30を越えるまで家を出られなかった。
物理的に経済的に無理だったのもあるが、
常に彼らに監視されて、自尊心を潰されていた。
信じられるのは最後家族だと教えこまされていた。
2年前、自分がアダルトチルドレンであるという自覚を得てから、わたしはようやく、家を出ることができた。
初めて自分の家で一人でベッドに横たわった日の夜は、忘れられない。
そこには、気が向いたら怒鳴りながら起こしにくる母は来ず、母を脅して金を毟り取って行く父の姿はない。彼らにジャッジされずに、私は自由にいられるのだ。
私のアダルトチルドレンとしての特徴
・極端な自己評価の低さ
・自信がなく周りに流される
・男性に対して、強い嫌悪感がある
・怒鳴り声に怯える
・家族に依存するように教え込まれている
アダルトチルドレンは、様々な文献で「サバイバー」と呼ばれることがある。
そう、「生存者」なのだ。
年間何万人ものアダルトチルドレンが、様々な方法で亡くなっている。
そして、その死の脅威から文字通り「生き延びた」私は、自分の家族について考えることがある。
この病気になってから、叔母や、何も知らない周りの人々から、カウンセラーと全てをわかってくれる友人以外から「最後は家族だから」と言われた。結局救ってくれるのは、助けてくれるのは家族の力なのだと。
だが、適応障害の診断を受けて、自分の性質を受け入れた、私は、思うのだ。
最後、それでも続く未来のために、生き延びるために、自分を大切にして、踏ん張ったのは、「私」なのである。
つづく